Baby if:4

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※ R18内容につき、自己責任で反転して読んで下さい↓

 薄暗い部屋の中、蓄光ライトの青白い明かりの下、目の前には愛しい人の顔。
 初め、触れるだけだった口づけは、啄むようなものに変わり、躊躇いながらも薄く開いた唇を割って、彼が入って来る。
 ぴったりと合わさった口の中、舌を絡めとられ、吸い上げられ、どんどん深くなるそれに思考が溶けて行くよう・・。

「んぅ・・」

 息苦しさに喘ぐと、名残惜しそうに彼の唇が離れる。

「──綺麗だな」

 眼下のわたしを見て、しみじみと言うジン。心を決めた後、まだ恥ずかしさはあったけど、身を覆うものを脱いで、全てを彼に任せていた。
 一糸纏わぬ身体の形を確かめるように、彼の目がわたしの線を辿り、首に回っていた手が尖った肩を撫でて・・胸に触れる。

「あ・・」

 大きな手が双丘をそっと包み込み、感触を楽しむようにゆるゆると揉み上げながら、再び、唇を塞がれ、深く絡み合う。
 変な・・感じ。
 背筋がゾクゾクして、腰のあたりがムズムズする。

「んっ!・・っぁ・・」

 指先が敏感な部分に触れ、反射的に仰け反った喉にもキスされて、舌先が肌を滑る。
 鮮やかに色づき、存在を主張する尖端を口に含まれた瞬間、思わず、腰が浮いた。

「あぁっ・・!」

 電気が走ったみたい。
 身体が熱い・・沸き上がって来るこの感じはなに?それなのに、力が抜けて行く。思考はどんどん緩慢になって・・。

「やっ・・あっ・・ふぁっ」

 漏れた甘やかな自分の声に、耳を疑った。
 やだ・・なんて声を──。

「あっ、あっ」

 ジンの容赦ない責めに耐えきれずはずもなくて、ただ翻弄される。せめて声だけでも押さえようと、口に指を押しあて、噛んだ。
 気づいた彼がわたしの手首を掴み、シーツに縫い付けてしまう。
 ・・これでは、声が抑えられない・・。

「・・ジンっ、声、が──」
「好きなだけ出せばいい。我慢するなよ。聞きたいんだ、アリスの声」
「でもっ・・」
「恥ずかしいことじゃないんだからさ。むしろ・・感じてくれてるのが実感出来て、嬉しいよ」

 覗き込むようにして微笑んだ翡翠は、わたしの瞼に唇を寄せ、滲んだ水滴を舐め取る。
 優しい表情。
 ほっと気が緩んで安心したところ、不意打ちのようにジンの手が下半身へ伸びた。太ももを伝って、付け根の割れ目を指先がなぞる。

「や・・ぁんっ!だ、だめっ・・」

 指が上下する度、強烈な感覚が下半身を襲って、確かな水音が耳に届く。
 甘い疼きと、彼がそこに触れている事実に、わたしはもぅ前を見ていられなくなって、きつくシーツを掴んで横を向いた。

「良かった・・ちゃんと濡れてる。・・奥イイ?」

 訊いてくるジンに、小さく頷く。
 許可を得た彼の指が少しずつ入り込んで来て、内壁を緩く擦る。けれど、何者も受け入れたことのないそこには、指一本でさえも痛苦しく、わたしを追い立てた。

「っ・・」
「・・キツイな。もう少し、濡らさないと無理か・・」

 呟くように言うと、ゆっくり指を抜き差ししたり、突起を柔らかく擦って、丹念にわたしを高めようと愛撫を繰り返すジン。
 
「あっ・・ん、あぁっ・・やぁ」

 押し寄せるのは痛みや苦しみだけじゃなくて、彼の指が動けば動くほど、どんどん別の感覚が呼び覚まされ、声は艶を含み、甘くなる。
 やだ、恥ずかしい。押さえなくちゃ・・と頭の隅で理性が思うのに、身体は快楽という原始的欲に支配され、焚き付けられた内なる炎は更なる熱を帯び、腰の当たりに溜まってゆく。
 なにか──変。

「はぁっ・・あふっ・・」

 息が上がる。身体が熱い。目眩がする。
 絶え間なく嬌声を上げるわたしを尻目に、狭い中を掻き回す指が増やされ、少し強引に奥の方へ入ってきた。

「ぁあっ!」

 ビクンと身体が跳ねる。腰が浮き、弓なりに反った背に彼の手が回って抱きかかえられた。身体を密着させたジンが、顔を寄せてくる。

「大丈夫?でも、ならさないと入らないし、多分、本番はもっとイタイはずだから・・」
「ぅ・・ん。へい、き・・それに──」

 心配気な声に、うっすらと涙の溜まった目を向けて言いかけ、あまりに恥ずかしい内容であることに気づき、言葉を切った。
 訝しくじっと見つめて来る翡翠色は、言葉の続きを求めている。
 言えるわけがない。そんな恥ずかしいこと・・。

「言わないつもりか・・平気なら、身体に訊くまでだけど」
「え?・・やっ、なに・・待っ・・!」

 制止を振り切って、含まされた指が揺すられる。性急ではないけれど、それまでの緩やかなものとは違って、リズミカルに出し入れしては、内側を撫で付けられて──。
 やだ・・こんなの・・耐えられない。

「ぁ・・ジンっ・・待って・・あぁっ!だ、めっ・・おかしく、な、る」
「気持ちイイ?」
「っ・・」
「恥ずかしいことじゃない、嬉しいって言ったろ。イキそーなら、我慢するな」

 不敵に笑むジン。その表情は・・なにかを企んでいるかのようで、わたしの中に不安が広がった。
 次の瞬間、それは的中する。

「ぁ・・やぁぁぁっ!!」

 敏感な芽を爪先で引っ掻かれ、意識が飛んだ。

「はぁ・・ぁ・・っは・・ぅ・・」

 ドクドクと別の生き物のように、心臓が脈打っている。荒く乱れた息づかい、余韻に熱く収縮する内壁に埋まっていた指が引き抜かれ、身体の力も抜けた。

「──スゴい締め付け。イッた、よな?」
「っ!・・ジンが、あんなことするからよ・・」
「おかげで、ほら、こんなに濡れてる。コレなら、入りそー」

 蜜で濡れた指先を目の前にかざされ、顔の温度が上がる。更にジンはわたしの見ている前でその指を口に含み、蜜を舐め取ってしまう。
 唖然としたのは一瞬。すぐになにをされたか解って・・。

「ジンっ!」
「ははっ!アリスの蜜は甘いな。ごちそーさん」
「っく」

 翻弄されてる。
 完全に主導権を握られて、なされるがまま、身体を開くだけの自分。
 なんだか、悔しい。同じ、初めての経験のはずなのに、わたしはこんなにも余裕がなくて、彼は余裕があって。

「・・ジン。本当は初めてじゃ、ないんじゃ、ない?」
「なんでそう思うんだ?」
「だって・・余裕あるもの。扱いにも、慣れてる感じ」
「・・あのなぁ・・」

 途端にジンの表情が苦いものに変わった。

「余裕なんか、あるワケないだろ?自分抑えるのに必死だよ。好きな女の裸見て、感じる姿目の当たりにして、すぐにでも繋がりたいトコだけど、それじゃ、アリス、イタイだけで辛いだろうし・・初めてをイヤな記憶て終わらせたくない」

 金髪をかきあげ、大きな溜息をつく。

「でも・・もぅ、限界。これ以上は、オレも無理。・・本番、イイ?」

 熱っぽい辛そうな瞳に見つめられ、ドキリとした。同時に愛しさが込み上げて、わたしはこくんと頷く。
 堅いものが秘唇にあてがわれ、ゆっくりわたしの中に割って入ってくる。

「・・・・・・っ!」

 その圧迫感と言ったら・・みしみしと引き裂かれる感覚。指の比ではない大きなそれに、伴う痛みも比ではなくて、無意識に腰が引き、頭が仰け反る。
 悲鳴こそ耐えたけれど、痛みは増すばかりで、シーツを思い切り握りしめ、唇を噛み締めていなければ、泣き声を上げてしまいそうだった。

「くっ・・アリス、もぅ少し、ちからを・・」

 抜いて、と言われるけど、そんな余裕ない。
 口を真一文字に結んだまま、無理だと首を振ると、ジンは一旦動きを止め、はぁと細く息を吐いて身を屈めた。ぐっと顔を近づけて、引き結ばれたわたしの唇に自分のそれを重ねる。
 舌でなぞられ、口を開くと入ってきて、深いものになった。空いた手が胸をやんわりと揉み上げて、尖端を指で擦られて。

「んぅ・・っ」

 与えられる快感に、強張った身体の力が抜けてゆく。完全に緩まったのを見計らって、半端に止まっていたそれが一気に押し進められた。

「!?・・ん────っ!!」

 生じた激痛。悲鳴は重ねられた彼の唇に封じ込められる。最奥で行き当たったなにかは、呆気無く破られ、じんわり胎内に熱いものが広がった。
 多分・・血だと思う。
 なぜかそんなことだけ冷静に思いながらも、繋がった痛みで涙が溢れた。

「ごめん・・イタイよな?」
「ぅ・・ん、だい、じょうぶ・・っ」
「ホントに・・ごめんな・・。コレばっかりは、男は、ズルいよな」
「ずるい・・?」

 なにがずるいと言うのか、痛みに支配された頭ではすぐに気づけない。

「ああ・・最初から、快楽しかないから、さ」

 上気した頬、吐き出す吐息が熱い。陽色の髪は滲んだ汗にしっとりと濡れて、翡翠色の瞳は一層鮮やかに、艶めいている。
 綺麗・・と言ったら、ジンは怒るかしら?
 言葉にできない代わりに、そっと彼の頬に手を添えると、触れるだけのキスを唇に贈る。
 ぴくんと反応したのは・・わたしの胎内に埋められたジンの分身だった。

「ごめっ・・」

 焦る彼が可愛く見えて、小さく笑う。

「これでは・・終われ、ないでしょ?動いて・・いいわ」
「けど・・」
「・・大丈夫よ。わたしも、もっとジンを気持ちよくさせてあげたい。初めてを我慢しただけの、嫌な、記憶で終わらせるなんて、本意じゃ、ないわ」

 痛みは全然引いてなかったけれど、それでもいい。
 わたしを感じて。
 わたしで幸せになって。
 あなたが好きなの。とても愛しているのよ。

「──ありがと、アリス・・悪い、動く」
「ぅ、ん・・あっ・・んんっ!」

 ゆっくり腰を引かれ、再び、差し入れられる。遠慮がちだった律動は、徐々に早まり、深く奥まで抉られて、声を上げずにはいられないほど、強く彼を感じてしまう。
 生じる破瓜の痛みと──真逆の快感。板挟み状態をあえて受け入れる形で、与えられる波に耐えた。

「ぁ・・はぁ、あっ、あっ・・ふぁっ」
「くっ!ヤバ・・」

 苦し気に呻くジンに、不安がよぎる。
 なにがやばいの?わたし、どこかおかしい?
 言葉にするほどの余裕はなくて、ただ、じっと彼の顔を見つめて、小首を傾げてみた。

「あ・・違っ。そう、じゃなくって・・その、アリスの胎内、すげー・・気持ち、よすぎっ」

 艶やかに微笑んで言われ、言葉の意味を理解する。
 と、同時に、褒められたことが嬉しいやら恥ずかしいやら、色々な感情が渦巻いて、知らず、胎内を強く締め上げてしまった。
 ジンの表情が変わる。驚いたような、それでいてさっきの比ではない苦渋を滲ませ、首を振った。

「っ・・!アリスっ、ソレ、マズ・・いっ!」
「えっ・・?なに・・ぁ・・!?」
「くぅっ・・ダメ、だっ・・!」

 最奥に突き入れた状態で彼の身体が、ぎこちなく止まる。わたしの胎内でそれはビクンと大きく脈打ち、次いで、熱いなにかが放たれた。

「あふっ・・ぁ・・あぁあああーーーっ!!!」

 満たされる心地よい感触に、ゾクゾクと背筋が震え、腰が跳ねる。胎内が小刻みに痙攣して、断続的に流し込まれる彼の全てを受け止め終えると同時に、身体の力が一気に抜けた。
 ぐったりベッドに四肢を投げ出したまま、もぅ、動けない。
 ジンはジンで、両手を張ってなんとかわたしの上に倒れ込むのを堪えたものの、肩で息をして、しばらく、じっとしていた。
 重い瞼が視界を遮り、荒く交わるわたしと彼の息づかいだけが、辺りを支配する。
 ようやく、乱れていた息も落ち着いたジンが、腰を引いて自身を抜き、ぽつりと洩らした。

「・・・・・はーっ・・勘弁してくれ。反則だよ・・」
「はぁ、はぁ、はぁ・・ご、ごめ・・んなさ・・ぃ」

 きっと、彼にとっては不本意な結末。無意識とはいえ、してしまったことへの罪悪感で、閉じた目を開けられない。
 圧迫していたものが取り除かれ、急速に冷めてゆく下半身の熱が、今はただ空しくて、最奥を支配する鈍い痛みが罰のようにも思われた。 

「なんで・・アリスが謝る?悪いことなんて、してないだろ。それとも・・やっぱ、オレとしたくなかった?後悔してる・・のか?」

 行為を否定するどこか寂し気な響きに、わたしは弾かれたように目を見開いた。疲労し切って重い身体を、緩慢な動きでなんとか引き起こす。
 悪いことであるはずがない。自ら望んで受け入れたことよ?
 少なくともわたしは・・ジンと一つになれて嬉しかったのに。
 
「わたしは後悔なんてっ・・!」
「綺麗な紅だ」

 目の前にあったのは優しい笑顔。嬉し気に言う、翡翠色の瞳に映るわたしの瞳は──。

「・・わたしの目・・紅い・・?」
「ああ。魔力も十分な量、ちゃんと感じるし、魔女としての再起・・成功したみたいだな」
「・・・・・本当。わたしの魔力、ちゃんと、ある──」

 ジンの言う通り、身体の奥から沸き上がる“魔力”が、“魔女”としてのわたしを満たしている。
 そして、愛する人と行為によって深く結ばれた事実が、“女”としてのわたしも満たしていた。
 なんて幸せなことだろう。
 彼が言い置いた通り、わたしは何一つ失わず、全てを取り戻して──それ以上のものを得た。
 たった一つ、奪われたものを除いて。
 
「でも・・ごめん。胎内に、思いっきり・・その・・出しちまった・・」
「・・ぁ・・」
「──・・ババァは、こうするのが一番てっとり早く、栄養与えられると言ってたけど・・“女”としてはかなり危険じゃねーかって、ちゃんと訊いてからにするつもりだったんだが・・」
「・・わたしの、せいね?」
「いや。我慢足らなかったオレが未熟だったんだ・・アリス。もし、出来ちゃってたら・・ちゃんと責任とるから、隠さずに言えよ?っても、コッチ側の常識だと、オレが18才にならないと結婚は無理なんだよな・・」

 思案顔のジンに、呆然としてしまう。
 責任でわたしと結婚するの?
 何気なく言われた言葉にショックを受けたわたしの心情は、とても素直に表情に出てしまったようで、彼が慌てた。

「あ・・チガウぞ?別にそーゆ−事情で結婚とか言うわけじゃなくて・・。アリスさえ良けりゃ、オレ、素で思ってることだから。・・一緒に、居てくれないか?」

 “女”としては、きっと、軽視できる事態じゃないのでしょうけど、真剣な表情でそんな嬉しいことを言うものだから、いてもたっても居られなくなってしまった。
 彼の首に手を回して頭を引き寄せ、胸に押し当てるようにしてぎゅぅっと抱き込む。

「あ、アリス!?」
「そうね。ジンにはとても大切なものを奪われてしまったもの」
「うっ・・すまん・・」

 わたしの言葉に困りきって身を小さくする金髪を手櫛で梳いて、腕の中の愛しい彼に笑いかけた。

「心を奪った代償は、一生を賭けてあなたの心で返して。だから、一緒に居て貰わないと困るわ。もっとたくさん、わたしを愛してね」
「っ・・ああ、もぅ・・完敗だ!!」

 真っ赤な顔で晴れやかに笑うジンは、まさに、太陽そのものだった。

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